雑草観察ノート

雑草と呼ばれる植物が好きな素人が身近な動植物について調べたことを記録していきます。図鑑の1セクションから1枠程度のまとまりを目指しています。投稿してからも見直す方針です。

イヌタデ 痩果


ほとんどの花が結実した花穂。紅紫色の構造は花被で、花穂先端付近(写真右)の褐色部分が実(痩実)の一部です。通常は見えませんが、花被を切って剥き出しています。イヌタデは単花被花で萼片と花弁が区別されないので花弁らしき部分および果実の包みは萼あるいは花被として扱われます。


果実。乾果に分類されるように表面は乾燥しており、滑らかで光沢のある茶褐色をしています。形状は片方が尖ったアメフトボールの長軸方向にほぼ等間隔で溝を3本走らせたようです。


果実断面。果実と種子に間隙が認められないことから痩果と考えられます。周辺の茶褐色部分が果皮、その内側が種子と考えられます。種子は色で3層に分かれて見え、どの層も大きさは違いますが同じ形状をしています。

痩実

痩実とその上位概念の関係は以下の通りです。

 痩果⊂閉果(非裂開果)⊂乾果⊂果実

痩果(achene):果皮と種皮が分かれない閉果。
閉果(indehiscent fruit):果皮が乾燥したまま熟して種子が閉じ込められたままの乾果。非裂開果。
乾果(dry fruit):果皮が乾燥した状態になる果実。