ホシダを疑うシダ植物
ホシダを疑うシダ植物(Thelypteris sp.)。2018年12月上旬撮影。
自信がありませんがホシダを疑うシダの仲間です。葉は一回奇数羽状複葉で、先端の羽片(頂羽片)が長く伸びて「穂」のような形態をとります。葉裏のソーラスは包膜が開いていましたが円形で、裂片の中肋と縁の中程に列をなしていました。
一回奇数羽状複葉は葉の形態を示す言葉です。葉柄に直接葉身が付く構造を単葉と呼びます。葉柄が分岐して小葉柄を伸ばし、そこに葉(小葉)を付ける構造を一回羽状複葉と呼びます。この小葉柄がさらに分岐してから小葉をつける場合は二回羽状複葉と呼びます。複葉と葉序は混同しそうになりますが、節や托葉などの有無で区別可能かと思います(ただし、この距離では判別不可能です)。
写真の種は葉柄から小葉柄が分岐しているので一回羽状複葉と判断できます。葉裂はかなり深く二回羽状複葉にも見えますが、葉身はまだ連続しています。対生葉序は節や托葉がないことから除外できるかなと思います。
一回羽状複葉は葉柄につく羽状片(小葉柄と小葉)の数が偶数か奇数かで一回偶数羽状複葉と一回奇数羽状複葉に分類されます。写真の種は先端に奇数番目の羽状片があるので一回奇数羽状複葉に分類されます。なお、このときの先端の羽状片を頂羽片と呼びます。
ケホシダやイヌケホシダを除外する必要がありますが、ケホシダにしては頂羽片が長く、葉裏の毛が少ないかなと思います。正確には同一個体の葉裏を触る必要があるかと思います。