ツバキ類の白藻病
ツバキ類の白藻病あるいはalgal leaf spotを疑う葉表病変。2018年12月下旬撮影。
形態による考察
肉眼では葉表に辺縁が淡色放射状の褐色類円形隆起が散在していました。葉裏にはより小型の病変が複数認められました。
葉表のルーペ像では葉の表皮と連続した類円形の褐色隆起とそこから少数伸びて数回分岐する黄色索状構造が認められます。また、微細な糸状構造が伸びて複数分岐しながら葉身を覆っています。
黄色索状構造は褐色隆起付近の白色部分から始まり、葉身に乗ると扁平に広がって辺縁の半透明な部分と中央の黄色顆粒状の部分に分かれ、複数回分岐して放射状を呈します。
昆虫、細菌、ウイルス、線虫は考えにくく、真菌や藻類による感染症を疑います。
文献による考察
ツバキ類に発症して独特な放射状構造を伴う褐色斑を呈すること、参考とのルーペ像の一致からツバキ類白藻病(しろもびょう)を疑います。ツバキ類白藻病の原因は気生藻であり寄生性葉状体緑藻(parasitic thalloid green algae)*1、Cephaleuros属緑藻であり、参考によるとCephaleuros japonicusと想像されます。
C. japonicus感染症と仮定した場合、インターネット上の情報によると褐色隆起は壊死班、周囲の黄色索状構造は藻体と考えられます。一方で褐色隆起を藻体と書くサイトもありました。
図と文の対応した信用できるサイトは見つけられなかったので、追って英文などを探索しようと考えています(海外にツバキ類が存在するかどうかから探します)。
参考
*1:直訳