切り株の年輪
幹の大部分は木部(材)に占められ、成長輪はここに形成されます。成長輪のうち年周期で形成されるものを年輪と呼びます。
年輪は中心から同心円状に繰り返す淡い部分と濃い部分から構成されます。濃淡の原因は形成層の活発さによる細胞壁の密度で、成長が早いときは細胞壁が疎で淡くなり、成長が遅いときは細胞壁が密で濃くなるそうです。
この切り株では肉眼で観察できる大型の道管様孔が濃い部分の外側で同心円状に配列しており、環孔材であることが示唆されます。環孔材は散孔材の対義語であり、広葉樹で認められる構造です。従って、この切り株は広葉樹と推定されます。
劣化によるアーティファクトを否定する経験は持ち合わせないのですが、中心から辺縁へと年輪を貫いて伸びる淡い線分は放射組織と呼ばれるそうです。